10. Wavefront Music Festival
7月5日－7月7日
Montrose Beach
シカゴ、USA
Day One | Day Two | Day Three

アメリカのミッドウェストの中心地、シカゴで開催されるビーチサイドパーティーであるWavefrontはアメリカのフェスティバルとしては比較的新しい方で、今年で2回目の開催となるが、既にかなりの注目を集めており、その結果今年は昨年よりも1日長い3日間開催となった。尚、ラインアップもパワーアップしており、EDMからアンダーグラウンドなハウス／テクノのアーティストなど幅広いセレクションとなっている。Crookers、Justice、Seth Troxler、Appoloniaなど100組のアーティストが4ステージに別れて出演する。

RA pick: Matthew DearのAudion名義での攻撃的なテクノに注目したい。

9. SuncéBeat
7月24日－7月30日
The Garden Tisno
ティスノ、クロアチア

Garden FestivalとElectric Elephantが終わった10日後に開催されるSuncéBeatで、The Garden Tisnoは再びフェスティバルのホームとなる。Southport Weekenderチームが運営するこのフェスティバルは、ハウスやディスコ系アーティストを中心に7日間に渡って開催されるが、今年はMoodymannやJoe Claussell、Derrick Carterなどの大御所の他に、Motor City Drum Ensembleなど割と最近のアーティストも出演する。

RA pick: このようなレイドバックな雰囲気を持つフェスティバルには、Gilles Petersonのセットがハマるだろう。

8. Love Family Park
7月7日
Mainwiesen Hanau
ハーナウ、ドイツ

Love Family Parkはドイツで開催される大規模なハウス／テクノのフェスティバルだ。マイン川沿いの公園に設営された会場で12時間に渡って開催されるこのフェスティバルは、参加者にもそれなりのパワーが求められるが、15000人の観客をくぐり抜けてメインステージに辿り着いた時の喜びは格別だ。そしてドイツ有数のサマーフェスティバルとして知られるLove Family Parkは、その規模に恥じない強力なラインアップを揃えている。例年通りSven Väth、Ricardo Villalobos、Loco Diceが出演する他、今年はNina Kraviz、dOP、Tale Of Usなどの今をときめくアーティストも多数出演する。午前10時からスタートするため、日焼け止めを忘れないようにしたい。

RA pick: Nina Kravizの繰り出す粗いハウスを楽しみたい。

07. Lovebox
7月19日
Victoria Park
ロンドン、UK

元々10年以上前にGroove Armadaが93 Feet Eastで立ち上げたクラブナイトだったLoveboxは、その後成長を続け、今や大観衆を集めるフェスティバルへと成長した。このフェスティバルの音楽性は非常に幅広く、NoiseyがFlying Lotus、SBTRKT、The Gaslamp Killerなどを招聘する一方、RBMAがDJ Harvey、Prins Thomas、David Rodiganを招聘。またHot CreationのステージではJamie Jones、Lee Fossなどが出演する。しかし、何よりも嬉しいのはこれだけのラインアップがロンドン市内のVictoria Parkで気楽に楽しめることだろう。

RA pick: 金曜日のAnnie Macのステージに登場するWileyは予想不可能なステージを展開するはずだ。

6. Monegros Festival
7月20日
Monegros Desert
ウエスカ、スペイン

年々フェスティバルの形式は複雑化しており、クロアチアで1週間に渡って開催されるようなものがあるかと思えば、アートやメディアのカンファレンスが設けられているもの、また都市の中心部で開催される大がかりなものもある。それぞれに魅力があるのは確かだが、広大な土地で大観衆が熱狂するというオリジナルスタイルには敵わない。そしてそのオリジナルスタイルを楽しめるのがこのMonegros Festivalだ。砂漠の中心で大観衆と多数のアーティストが一緒に盛り上がるこのフェスティバルの今年のラインアップはMarcel DettmannやUnderworldなど、ビッグネームが幅広く出揃っている。

RA pick: ミニマル界のドン、Marco Carolaがその本領を発揮するだろう。

05. 10 Days Off
7月18日－7月29日
Vooruit
ゲント、ベルギー

19年間というのはフェスティバル業界においては長寿と言えるが、10 Days Offが19年間続けてこられたのは、彼らが正しい選択を続けてきたからだろう。元々テクノフェスティバルとしてスタートしたこのフェスティバルは、今やハウス、ベース、そしてエクスペリメンタルミュージックなど、エレクトロニックミュージック全般をカバーするようになっている。今年はややUK寄りと言えるラインアップで、Jackmaster、Dusky、Bicepなどに加え、Space Dimension Controller、Matthew Dear、Hudson Mohawkeなどが出演する。

RA pick: LindstrømとTodd TerjeのB2Bセットは間違いなく盛り上がるだろう。

04. Hideout Festival
7月3日
Zrce Beach
パグ島、クロアチア

Hideout Festivalがスタートした2011年は、タイミングが悪かった年で、Hideoutが拠点としているクロアチアのパグ島だけでも10以上のフェスティバルが開催され、ましてはクロアチア国内では本当に数多くのフェスティバルが開催されていた。しかし、オーガナイザーであるThe Warehouse ProjectとElectronic Music Groupは自分たちの置かれた状況をしっかりと把握していたようで、結果的にHideoutはヒットフェスティバルとして生き残ることに成功した。今年で3年目となるこのフェスティバルは、ボートパーティーやプールパーティーなどを積極的に展開する一方、会場は4つに増え、また本フェスティバルの前には4日間に渡ってプレパーティーが開催されることになった。ラインアップは例年通りと言え、Four Tet、Hessle Audio、Loco Dice、Seth Troxlerなどが名を連ねている。

RA pick: Jackmasterが率いるNumbersのボートパーティーは楽しめるはずだ。

03. Freerotation
7月12日－7月14日
Baskerville Hall
ヘイ・オン・ワイ、ウェールズ

Freerotationについて唯一批判できる点があるとすれば、それはチケットの入手が不可能に近いということだろう。このフェスティバルはメンバーシップ制となっているが、会場のキャパシティは登録しているメンバー数の4分の1程度なため、実際は登録メンバーでさえチケットが入手できない。そのため、チケット発売日にはイライラしながらブラウザのリフレッシュボタンを連打する人が多数生まれてしまう。しかし、この不便さは必要悪だ。一旦中に入ってしまえば、Freerotationがいかに特別なフェスティバルなのかが理解できるだろう。ウェールズの田舎で開催されるこのフェスティバルは、フェスティバルというよりは、3日間に渡ってホテルで開催されるハウスパーティーと言ってしまった方が良い。また、出演者のジャンルはディープハウス、ディスコ、UKベース、テクノなど多岐に渡るが、全てが「ハードコアなマニア向け」というワードでまとめられる高いクオリティを誇っている。

RA pick: 昨年のハイライトだったHessle Audioチームによる長時間のB2Bに今年も是非期待したい。

02. Melt! Festival
7月19日－7月21日
Ferropolis
ライプチヒ、ドイツ
Day One | Day Two | Day Three

Melt! のようなフェスティバルは無いに等しい。まず特筆すべきはそのロケーションだろう。工業用機械が立ち並ぶこの会場は、素晴らしい雰囲気を全体にもたらしてくれる（尚、エリア内には泳げる湖もある）。そして巧妙に組まれたラインアップも忘れてはならない。DIIVやAtoms For Peace、そしてAzealia Banksなど、他のサマーフェスティバルでは見かけないアーティスト名が数多く並んでおり、インディーからヒップホップまで様々なジャンルを楽しむことができる。James BlakeやFlying Lotusなどのビッグネームから、Trickyなどのオールドスクール勢、そしてHenning BearやDiscodromoまでベルリンのアンダーグラウンド勢を含む100組以上のアーティストが3日間に渡って出演するMelt!は、質と量のバランスが見事に取れた珍しいフェスティバルと言えよう。

RA pick: 新しいライブセットが称賛と混乱を生み出しているThe Knifeを実際に聴いて確かめたい。

01. Garden Tisno Festivals
7月3日－7月15日
The Garden Tisno
ティスノ、クロアチア

フェスティバルに方程式のようなものがあるのだとすれば、このフェスティバルのオーガナイザーはその式をしっかりと計算したはずだ。クロアチア、ビーチ、ボートパーティー、オープンエアのクラブ、素晴らしいハウス、ディスコ、ベースミュージックのラインアップ。これ以上に何を求めれば良いと言うのだろう。Floating Pointsがボートパーティーに登場し、海沿いのビーチではChez Damierがプレイ。そしてJoakimが「シークレットアイランド」に姿を現すというのであれば、もはやこれは特別と言わざるを得ない。The Garden FestivalとElectric Elephantが組み合わさり12日間という長期間に渡って開催されるこのフェスティバルは、行く気になった人ならば必ず楽しむことができるだろう。近年はクロアチアをベースにしたフェスティバルが乱立している状態だが、この両フェスティバルは頭ひとつ抜き出た存在と言って良いだろう。

RA pick: DJ Natureは両フェスティバルに登場するが、聴けばその理由が理解できるはずだ。